去る10月24日は連休の初日。婚礼日和の一日でした。この日にS・Sご両家のとっても素晴らしい結婚式が執り行われました。場所は富山県高岡市のモノづくりの中心地「金屋」のお膝元、越中古社「有礒正八幡宮」。江戸時代の初頭より伝わるモノづくりの伝統を支えてきた神社です。義仁さんと瞳さんは挙式の舞台にこの由緒あるお社を選ばれました。

ariso-1
かつて富山県での結婚式の儀式の始まりは新婦家での出立ちの宴から始まりました。新婦家のご親族とご友人のみでお祝いをしました。そして午後からは新郎家に。ただし現在のようにご親族全員では向かいません。ご媒酌人に伴われ新婦家のご家族が門送りと呼ばれる新婦のご友人数人と婚礼の品を携えたご親族を代表された人足さん数人とで新郎家に向かいます。
そしてまずは玄関先で新婦が新郎家の一員になる証としての「合わせ水」の儀式です。ご媒酌人が新郎家の玄関先で盃をめでたく割ります。次に新郎家の奥座敷に通されてから「仏壇参り」でご先祖様への報告。続いて当日ご持参の「婚礼の品々」で結納返し。それから「仏前(人前)挙式」。そしてここでようやく「ご披露の宴」です。ここでは文字どおりお披露目。もちろん目的は新婦のお披露目です。夜を明かして(?)の宴が続きます。

儀式は自宅での装いから始まった

結婚というのは世代がつながるという意味と新郎家と新婦家がつながるベースだったのです。ご両家の結びつきとご両家の将来の弥栄です。それはご両家のための結婚からおふたりのための結婚に変わった現在でも結婚の意味は全く変わっていません。そんな儀式をなぞるように新婦瞳さんはご自宅での装いからスタートされました。
第一正装である白無垢で仏壇参りでご先祖さまへのご報告。そしてご親族と近所の方々にでのご挨拶を済まされ有礒正八幡宮へ向かわれます。img_1

合わせ水がご両家の血統とご親族を一つにする

新婦が嫁いで新郎家の一員になる。そんなメモリアルな瞬間はご両家にとっても友人にとっても特別なものでありうれしいもの。それをカタチにしたのが合わせ水の儀式。ここ有礒正八幡宮では上田宮司がご両家の弥栄を願い自ら合わせ水の儀式を取りしきる。まず、新婦にお渡しした「かわらけ」に新郎家と新婦家のお水を注ぎ新婦にお口につけていただく。巫女が「かわらけ」を本殿横でおめでたくも割る。ご両家の方々にお祝いの拍手をいただいての入場だ。お天気にも恵まれたが、ご両家の晴れ晴れとしたお気持ちが伝わるような儀式だった。過去から伝わる儀式は意味づけもはっきりしているが何より拝見して清々しい気持ちになる。018D8782ED82B99085

挙式の後の人力車で新郎の新婦とご両親に対するオモイが伝わった

結婚式は神職自らの雅楽での参道参進からのスタート。そして磨き抜かれた本殿での儀式は上田宮司の祝詞が張り詰めた空気をつくりだす。たくさんのご友人の小さなお子さんも静かに参加されていた。結婚式は情操教育にもなるのかもしれない。挙式後は新郎のサプライズでなんと人力車が登場!実は新婦にも当日まで内緒でした。新郎新婦の撮影会の他にご両親にも乗車いただきました。心やさしき新郎のお気持ちは新婦だけでなくご両親やお家族の方にも感謝のオモイはきちんと伝わったと思います。おめでとうございます。
ariso5ariso1 ariso2 ariso3 ariso4

今年もふいご(鞴)祭りがいよいよ幕を開ける

おふたりの結婚式の舞台になった「有礒正八幡宮」ですが、結婚式だけでなく高岡市の金屋にある神社として「モノづくりの町・高岡」の始まりを見せてくれます。今年も11月8日(日)に「ふいご祭」がここで執り行われます。富山県の結婚式だけでなく、町の歴史にも現在にも、そして未来にも関わってくれるこのお社を貴女もぜひ訪ねてみてください。今年の「ふいご祭」には、地元のアイドル「ピエノロッシ」、おなじみの津軽三味線芸人「中山孝志・安藤有希子」もかけつける。昨年の様子はユーチューブで。市長も参加のお祭りは高岡ならでは。

A4_omote